症状改善コースの流れと一緒にお読みください。
突発性難聴の処置が遅れた症例(70代 男性)
問診内容
高校時代、バレーボールの際に腰を痛めて以来、腰痛が持病となる(後に腰椎分離症と判明)。肩こりは、サラリーマン現役時代から常に。
15年ほど前、通夜帰りに急に耳鳴り、雑音で耳の聞こえが悪くなり、よく日耳鼻科に行くが、糖尿病の薬を飲んでいたため、総合病院を紹介される。
総合病院では、突発性難聴と診断を受け、入院を勧められるが、母の介護があったため、1年間点滴に通院するも治らず。
発症3年後、伜の嫁の母が治ったからという勧めにより鍼灸院に1年通うが改善せず。
鑑別診断
腰椎自体が破損してしまうと、基本的には元に戻りません。
年齢を考えると、更なる腰椎破損による手術や下肢症状のリスクを防止して、日常生活動作を維持していく必要があります。
突発性難聴に関しては、地道に、耳周囲のマッサージを行い、内耳の循環を改善していくしか手はありません。
患者さんに対する説明
腰は完全には治りませんが、年齢的にも、これ以上動けなくなると大変なので、継続的にマッサージを受けて、今の状態を維持していったほうが良いです。
施術と経過
当施術所の訪問マッサージを、月2回のペースで、10年間継続中。
現在、肩こりに関しては完全になくなり、突発性難聴に関しては、マッサージを開始して6年後に耳の聞こえが良くなってくる。
腰に関しては、破損した部分は元に戻らないので、天候の変化などにより、痛みや下肢症状(痺れ)は依然として残るが、症状は軽減している。
考察
突発性難聴に関しては、発症後、もし、すぐに鍼灸院に行ったら、お嫁さんのお母さんと同じように、すぐに治った可能性が高かったと思われます。
しかし、突発性難聴が、時間が立ち過ぎて治らなかった場合でも、このように、時間をかけて地道に内耳の循環をよくしていくことによって、改善していく場合もあります。
処置が遅れて、突発性難聴が治らなかった場合においても、この症例のように、首・肩コリなどの治療と、内耳の循環改善は、バラバラではなくセットになりますので、長期計画で改善を考えていくということも、ひとつの方法ではないかと思われます。
後日聞き取りアンケート
Q.最初のきっかけは腰痛のご相談でした。腰痛が持病の患者さんのご参考に、長年の腰痛のきっかけを、あらためて詳しくお聞かせください。そもそものはじまりは高校時代のバレーボールの試合だった。
はじめてのレギュラー先発の嬉しさで、無理を承知で、カッコつけてフライングレシーブ。見事に成功したが、オマケに腰の痛みをもらった。
当時は気合いで治せの風潮でもあり、アイスを貼るだけで、満足な治療もしなかった為、以後の人生、腰、膝の痛みとのお付き合いが始まった。特に雨、冬には苦痛だった。
Q.今まで腰痛の治療で、他の治療院などに通われた変遷などお聞かせください。
シロウトの悲しさ、浅知恵でその都度、カイロプラクティック、整骨院、真空療法となんでも試してみた。
しかし、あるとき突然、左腰に激痛が走り、腰を伸ばして寝ることもできず、もちろん歩行も困難。
杖を頼りに整形外科に駆け込み、X線検査、リッパな腰椎分離症の診断。
しばしの通院生活、以降はこれは持病とあきらめて湿布に頼り、痛みが来る度整骨院通いが続いた。
Q.今まで腰痛の治療で通っていた治療院と、ウチとの違いを教えてください。最初に細かに症状、今後の要望などうるさくなるほどの問診からスタートしたことを覚えている。
整骨院通いで治療法に慣れているつもりの小生ではあるが、足指からのマッサージは初体験。
これが激痛、最初は悲鳴をあげながら受けていたが、だんだん、マッサージによる痛みが軽減していき、いつしか安心してお任せでベットに横たわり治療中は眠りにつくことが大半。
治療の後も、心地良い体の脱力感が持続する独特の感じがある。
他の治療では得られなかった効果が実感されたので、隔週で治療を続けるようになり、知らない間に10年が過ぎた。
Q.糖尿病の患者さんは、抹消血管の循環が滞りますので、その対策として行いました。施術による痛みの軽減と、諸々の症状の改善具合について、あらためて教えてください。
糖尿病は、薬物治療のため2ヶ月毎の通院生活、理想には程遠いが、HbA1c7.5%以下を、ずっと維持している。
突発性難聴は、病院や鍼灸院に通っていた時は、回復にはほど遠かったが、左耳付近のマッサージの効き目か、今はほぼ不自由のない毎日を過ごし、テレビの音量も小さくなった。
おかげさまで、78歳の現在、風邪知らず、腰、膝から始まった肩凝りの解消で毎日の晩酌を楽しんでいる。
Q.最後に、その他、お気づきの点などあればお聞かせください。4、5年前の健康診断で、間質性肺炎が判明。このことを何とは無しに話したところを聞き逃さず、鍼、お灸の追加治療をはじめて1ヶ月が過ぎ、気のせいか、息切れが軽減したようだ。
息切れも、6月末の検診の結果が楽しみでもある。
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詳細に時間をとっていただきまして、ありがとうございました。